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高い専門性の一般検査技師を育成 学会の星会長、AI時代の必須人材に

学会長の星氏
 日本臨床一般検査学会が、尿沈渣検査や穿刺液細胞検査など4つの認定制度を設け、高い専門性を備えた臨床検査技師の育成に取り組んでいる。実習を含む指定講習会の受講を要件とするなど、現場での実践を意識していることが特徴で、検査室のコアの人材として検査レベルを向上させたり、腎臓病のチーム医療に参画したりする活動を想定している。AI(人工知能)が活用されるこれからの時代でも必要とされるような人材の育成を進めていく方針にしている。

 学会が運営するのは、尿沈渣検査技師、穿刺液細胞検査技師、寄生虫検査技師の各認定制度と、腎臓病検査技師の専門・認定制度の計4つ。いずれも2022年~2023年に創設されたばかりで、認定資格者の人数(2023年6月現在)は、穿刺液細胞検査技師が20人、尿沈渣検査技師が7人、寄生虫検査技師が4人、腎臓病検査技師が7人。

 尿沈渣検査については、AIを活用した分析装置が登場しているが、学会の星雅人会長(藤田医科大学医療科学部准教授/同大学病院臨床検査部副部長)は「専門性の高い人たちがいない限り、AIの発展もない」とし、難しい症例でも検査所見を判断できる専門人材はこれからも不可欠だと強調する。扱う検体種が多く診断に直結する穿刺液細胞検査も高い専門性が求められると指摘する。

 寄生虫検査技師の認定制度は、感染患者が減少する中でも検査技術が維持・継続されていくことを狙っている。検査スキルを持つ検査技師が高齢化して第一線から退き、検査技術や知識が後進に継承されない。認定制度を通じて「寄生虫検査の技術や知識を継承していく」(星氏)考えだ。

 もう1つの腎臓病検査技師は、将来的に認定者1000人とする最初のステップとして、創設5年内に100人の育成を目指している。

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