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離島・へき地の検査室を支援、徳洲会検査部が派遣拡充など検討 グループ検査技師のスキル向上への活動も強化

 全国76病院を持つ徳洲会グループの検査部は、課題となっている離島・へき地の病院検査室に対する支援を強化する。大規模病院から派遣している人的支援の拡充を検討するほか、学生への奨学金や柔軟な転勤制度などの支援の周知活動も進める。また、グループの検査技師全体のスキルアップに向け、検査領域別ワーキンググループ(WG)での研修会等を活性化させ、認定資格取得のサポートも充実させる。


 徳洲会は、離島・へき地医療をグループ理念に掲げ、全76病院のうち約20病院が沖縄、鹿児島、北海道といった医療資源の少ないエリアにある。こうした地域では臨床検査技師の確保が厳しく、数人で検査業務全体をカバーしているが、慢性的な人手不足が長年の課題。このため、所属の検査技師約1200人で組織する徳洲会検査部(山中良之部会長)がグループ内の大規模病院などから検査技師を派遣する人的支援を続けている。


 現在は1カ月間の短期派遣の体制を組んでおり、検査部全体で毎月約10人が支援に入っている。ただ、それでも検査機能の維持が難しい病院があり、より多くの人的支援が求められているのが現状だ。


 3月の執行部会議では、離島・へき地の検査室運営には最低でも検査技師4人の体制が必須で、そのために大規模病院にさらなる協力を求めていくことを確認した。派遣期間を2~3カ月に延長することや派遣に伴う待遇改善なども将来的な検討課題になる見込みだ。離島・へき地の一部病院では養成学校在学中に月5万円を支給する奨学金を用意するなど、リクルート活動も強化する。


 徳洲会検査部ではまた、所属検査技師のための研修会、講習会などを充実させていく方針だ。生化学、血液、一般、生理、細菌などの7つのWGでスキルアップの活動計画を検討している。認定資格取得が給与アップにつながる仕組みもあり、認定資格取得のモチベーションを高めながら、知識や技術の底上げを図る。

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