政府の新型インフルエンザ等対策推進会議は10月16日開かれ、感染症対応の方針を示した行動計画の来夏の改定に向けて、保健・医療関係者からヒアリングを行った。発表者からは、新型コロナウイルス感染症への対応で浮き彫りとなった課題を踏まえ、有事に検査体制が迅速に整備されるよう、平時からの対応を求める意見などが出た。
意見を述べたのは、国立国際医療研究センター・国際感染症センター長の大曲貴夫委員や国立感染症研究所の脇田隆字所長ら7者。
この中で大曲氏は、「検査ができないと医療も回らない」とし、感染症発生直後から産学官が連携して検査試薬・機器の開発と供給に取り組む枠組みを作るよう求めた。また、発生直後から自治体だけでなく医療機関でも検査ができる体制が必要だとし、新型コロナ対応で導入された遺伝子関連検査機器のインフラが維持されるよう精度管理や診療報酬対応などが必要だとした。
感染研の脇田所長は、感染研と自治体の検査機関との検査技術基盤を標準化するよう主張した。さらに、地方衛生研究所や検疫所、医療機関、民間検査会社などがネットワークを組み「パンデミックに強い検査体制」を求めた。
こうした意見に対し会議の委員からは、「平時から検査体制を整備しておくべき」との意見が出た。