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認定資格取得のメリットなどで議論 京臨技学会


 第4回京都医学検査学会が2月23日開かれ、特別企画の座談会「スペシャリスト達の井戸端会議」では、専門分野の認定資格を持つ臨床検査技師が資格取得のメリットなどについて議論した。資格取得に必要な情報を得るための学会や研修会参加によって、自施設外での人脈が広がることをメリットに挙げる意見や、対外的に実力を証明できる点を挙げる意見が出た。若手検査技師や学生も含めた約150人が参加する中で、検査技師のキャリアプランを改めて考える場となった。


 同企画は、認定資格を持つ検査技師をスペシャリストと定義付けた上で、目指した動機や取得して良かった点などについて、第一線で活躍する検査技師が持論を語った。国立病院機構近畿中央呼吸器センター臨床検査科の廣田浩二氏は、資格取得による実力やモチベーションの向上だけでなく、「資格取得のための研修会や学会への参加を通じて知り合いが増える。人脈が広がることで知識や物事の考え方が豊かになったと感じている」などと説明。対外的に分かりやすい実力証明書の役割を果たすことや、プロとしての責任感が芽生えることもメリットに挙げた。


 京都第一赤十字病院検査部の中倉真之氏は、日本臨床神経生理学会専門技術師(脳波分野)の取得を振り返り、「医師から検査結果や運用等で質問されるようになるなど、臨床とのコミュニケーションがうまく取れるようになった」とコメント。さらに「資格取得のためには勉強したり情報を集める必要があるので、いろいろな学会で分からないことを検査技師や医師に聞いたりしながら人脈は広がった」としたほか、講演機会が増えるなど学術活動にも幅が出たことも挙げた。


●認定取得後の心境、「それ以前とは全く違う」 白波瀬前会長


講演する白波瀬氏

 特別企画では、京都府臨床検査技師会前会長の白波瀬浩幸氏(日本臨床衛生検査技師会執行理事)が「40年間の臨床検査技師生活を振り返って~芸(スペシャリティ)は身を助く~」をテーマに講演。これまで取得した病理や細胞診分野での認定資格と、自らのキャリアを紹介しながら若手検査技師らにメッセージを送った。


 白波瀬氏は、さまざまな資格取得について、「取得したからといって待遇が大きく変わるわけではないが、挑戦して資格を取った後の気持ちは取得する以前とは全然違ったものになる。いくつになってもこういった挑戦を重ねていけば、必ず充実した臨床検査技師人生になると思う」と呼びかけた。また、検査技師としての認定資格を取得してきた自身について、「定年後の生活は半分は検査技師で半分は農業。おまけの話にはなるが、昨年秋には有害鳥獣対策のための狩猟免状を取得した。日々まだ若干は進化していると思う」と締めくくった。


 「成長への架け橋~‘1人前’から‘1流’へ~」をテーマとする同日の学会には現地とウェブを含めて約150人が参加。特別企画のほか、一般演題12演題が組まれた。

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