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血液マーカーでアミロイドPETの結果予測 東京大のグループ、AD早期診断に道

 東京大学大学院の新美芳樹特任准教授、岩坪威教授らの研究グループは、アルツハイマー病(AD)の病因タンパク質とされる血漿中のアミロイドβ(Aβ)とリン酸化タウの2つの検査項目を組み合わせて評価することで、AD発症の超早期段階でのアミロイドPETのスキャン画像結果を高効率に予測できたとの研究成果を発表した。研究グループでは、こうした血液バイオマーカーの活用は診断の精密化と効率化に有用だと指摘している。

 研究グループは、ADの早期治療を目指している「J-TRCコホート研究」の参加者474人の血液検体からAβ42やAβ40を質量分析法で測定した。また米製薬大手のイーライリリーとの共同研究でスレオニン217リン酸化タウ(p-tau217)を測った。

 この検査結果を基に、脳内アミロイド検出の標準であるPET画像の視覚的診断結果がどれくらい予測できるかを検討。ROC解析で得られた薬物血中濃度時間曲線下面積(AUC)は、Aβ42/Aβ40比で0.85、p-tau217は0.91となり、高い予測結果を示した。

 研究グループでは「日本人での(血液検体による検査の)有用性に関する大規模データはほとんど得られていなかった。この研究成果で、ADの早期段階での適時適切な診断、予防・治療への道が開かれると期待している」とコメントしている。

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