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胎児心臓超音波の診断AIが薬事承認 理研などグループが開発

理化研などのグループが会見した
 理化学研究所や国立がん研究センターなどの研究グループは9月6日、文部科学省内で記者会見し、胎児心臓超音波スクリーニングを支援するAI搭載のシステムが薬事承認されたと発表した。承認は7月29日付。エコーの動画データをクラウド上で解析し、異常疑いの所見があると検査者に注意喚起して、先天性心疾患の検出を支援する。

 研究グループは6月から半年間の予定で東京と広島の計7医療機関で実証実験を開始している。1施設当たり50例を集める計画。

 薬事承認を取得したAIシステムは、胎児の全身観察の際、心臓の場所をスイープした10秒程度の動画を取得しクラウドに自動で送信する。2~3分で解析し、パソコンの画面に結果を表示する。心交差や心室中隔など診断対象の18部位をエコー画像上、色付きの枠で表示し、検出率のグラフなども示す。

 性能評価試験では、正常部位検出の感度が93.5%、特異度が95.9%となり、あらかじめ設定した閾値の80%をいずれもクリアした。さらに、非熟練医44人を含む産婦人科医50人で読影試験を行い、AIシステムの上乗せ効果を検討した。

 60の動画について医師単独、AIシステム併用で読影して精度を比較したところ、正常異常判定の感度は、AIシステム併用で78.4%となり、医師単独の73.6%を有意に上回った。AIシステムの併用により非熟練医の正常異常判定の精度が向上する結果となった。

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