緊急性に応じパニック値を3階層に 臨床検査医学会で諏訪部氏 日本臨床検査医学会の学術集会で12月1日、「クリティカルバリュー」(パニック値)の運用をテーマにした委員会企画が開かれた。チーム医療委員会・アドバイザーの諏訪部章氏(新東京病院)が、2024年6月に公表された『臨床検査「パニック値」運用に関する提言書(2024年改定版)』について改定の要点を解説した。その中で、諏訪部氏は、パニック値報告の負担を減らすために対応の緊急性に応じてパニック値の検査項目を報告すべき時間に基づき3階層に分ける私案を発表した。諏訪部氏 諏訪部氏が示したのは、①時間単位で対応する「直ちに報告しないと生命予後に直結する検査項目」(例えば低血糖、高カリウム)②日単位で対応する「確実にその日のうちにオーダー医に伝えるべき検査項目」(例えばCRP高値、肝酵素増加)③週単位で対応する「急ぐ必要はないが重大な病気の存在が示唆されるため放置してはならない検査項目」(例えば芽球の出現、LDH高値)―の3階層に分ける案。 それぞれの対応例として、①は「直ちに確実にオーダー医に報告する」、②は「診療科ごとに当日のパニック値をまとめ書面で周知する」、③は「検査値異常から推定される重要な疾患や病態のコメントを記載して確実にオーダー医に伝える」と例示した。 チーム医療委員会がまとめたパニック値運用の提言では、生化学や血液・髄液検査の計33項目を別表で例示し、パニック値に該当する値を示した。このうち、①のような運用を考慮すべき検査項目の例として、グルコース、カリウム、ヘモグロビン、血小板、PT-INRの5項目を例示している。
日本臨床検査医学会の学術集会で12月1日、「クリティカルバリュー」(パニック値)の運用をテーマにした委員会企画が開かれた。チーム医療委員会・アドバイザーの諏訪部章氏(新東京病院)が、2024年6月に公表された『臨床検査「パニック値」運用に関する提言書(2024年改定版)』について改定の要点を解説した。その中で、諏訪部氏は、パニック値報告の負担を減らすために対応の緊急性に応じてパニック値の検査項目を報告すべき時間に基づき3階層に分ける私案を発表した。諏訪部氏 諏訪部氏が示したのは、①時間単位で対応する「直ちに報告しないと生命予後に直結する検査項目」(例えば低血糖、高カリウム)②日単位で対応する「確実にその日のうちにオーダー医に伝えるべき検査項目」(例えばCRP高値、肝酵素増加)③週単位で対応する「急ぐ必要はないが重大な病気の存在が示唆されるため放置してはならない検査項目」(例えば芽球の出現、LDH高値)―の3階層に分ける案。 それぞれの対応例として、①は「直ちに確実にオーダー医に報告する」、②は「診療科ごとに当日のパニック値をまとめ書面で周知する」、③は「検査値異常から推定される重要な疾患や病態のコメントを記載して確実にオーダー医に伝える」と例示した。 チーム医療委員会がまとめたパニック値運用の提言では、生化学や血液・髄液検査の計33項目を別表で例示し、パニック値に該当する値を示した。このうち、①のような運用を考慮すべき検査項目の例として、グルコース、カリウム、ヘモグロビン、血小板、PT-INRの5項目を例示している。