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眼感染症の網羅的PCRを院内化 群馬大病院検査部、診療科と連携

常川氏
 群馬大学大学院の常川勝彦講師(臨床検査医学)は9月6日、日本遺伝子診療学会大会で、診療科と連携して構築した眼感染症の病原体核酸検査について報告した。

 群馬大学医学部附属病院の眼科は2018年から、「先進医療A」として保険診療との併用が認められている「ウイルスに起因する難治性の眼感染疾患に対する迅速診断(PCR法)」を実施している。当初は眼科で眼感染症の網羅的PCR検査を行っていたが、2021年に院内化した。患者検体(前房水)を検査部で分析し、検体提出から1時間程度でPCR検査結果を報告する体制を整えた。

 2021年5月からの3年間で検査した202例について解析したところ、約35%に当たる70例で病原体を検出し、うち41例でCMVが確認された。VZVは20例、EBVは7例で認め、梅毒とトキソプラズマは1例ずつ検出された。

 CMVの41例のうち、眼科医師が検査前にCMV感染を疑っていたのは62%に当たる27例で、VZVの20例のうちVZV感染を疑っていたのは2例だった。EBV検出の7例では、検査前にEBV感染を疑っていた症例はなかった。

 常川氏は、検査の結果、臨床側が検査前に想定していない病原体が多く見られた点を指摘。想定されていない病原体に起因する急性網膜性壊死やぶどう膜炎が確認できたことから、眼科医の臨床所見を補完する観点からも、PCR検査を活用した早期診断体制の確立が重要だとした。

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