厚生労働省の臓器移植委員会は11月15日、肝臓以外の臓器についても移植の適応を慎重に検討する対象の1つに「HBc抗体陽性」を追加することを決めた。臓器移植によるHBV感染を予防するため日本移植学会が要望していた。近く厚労省が、臓器提供者(ドナー)の適応基準を改正する。
ドナーの適応基準は移植の適応を慎重に検討する疾患や状態を示しており、HBc抗体陽性は肝臓のみ対象になっている。
しかし日本移植学会の感染症対策委員会が今年8月に101施設に調査したところ、HBc抗体陽性ドナーからの移植後、HBV伝播が疑われる事例が肝臓以外でも過去5年間に6例(1.6%)あることが分かった。同委員会は10月にHBV感染予防のための診療指針を公表し、肝臓以外の臓器のドナーに対してもHBc抗体検査を実施することを示した。