急性呼吸器感染症、来年4月から定点監視 厚労省が新サーベイ 厚生労働省の感染症部会は10月9日、急性呼吸器感染症(ARI)の発生動向を監視するサーベイランスを2025年4月から開始することを了承した。4月7日から毎週、全国約3000カ所の内科と小児科の医療機関から報告を受ける。 地域の人口分布に合わせて現在5000カ所程度の定点医療機関を3000カ所程度に減らし、各医療機関がARIの患者数を定期報告する。ARIは「咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のどれか1つの症状があり、発症10日以内の急性的な症状で、医師が感染症を疑う外来症例」と定義し、発熱の有無は問わない。 新たに指定する定点医療機関の約1割を、検体や病原体を収集する病原体定点に指定する。定点から収集した検体や病原体を遺伝子解析する。病原体提出の実績がある小児科定点や内科定点を中心に指定する方針だ。 厚労省は開始に向けて、10月中に自治体向けの説明会を実施する。都道府県が来年2月にかけて定点医療機関を指定する。 新たなサーベイランスの運用は定点医療機関の協力が鍵を握る。同日の部会で越田理恵委員(金沢市福祉健康局長)は、医師から協力が得られにくくなっている現状を指摘し、「(コスト負担という)金銭面だけでなく、何らかのインセンティブが必要」と述べた。 大曲貴夫委員(国立国際医療研究センター病院副院長)も協力医療機関に対して、サーベイランスの結果などのフィードバックを行うことなどを提案した。また、インフルエンザや新型コロナ以外の感染症検査キットも診療所で保有できるよう、小包装化や診療報酬評価などを求めた。資料はこちら
厚生労働省の感染症部会は10月9日、急性呼吸器感染症(ARI)の発生動向を監視するサーベイランスを2025年4月から開始することを了承した。4月7日から毎週、全国約3000カ所の内科と小児科の医療機関から報告を受ける。 地域の人口分布に合わせて現在5000カ所程度の定点医療機関を3000カ所程度に減らし、各医療機関がARIの患者数を定期報告する。ARIは「咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のどれか1つの症状があり、発症10日以内の急性的な症状で、医師が感染症を疑う外来症例」と定義し、発熱の有無は問わない。 新たに指定する定点医療機関の約1割を、検体や病原体を収集する病原体定点に指定する。定点から収集した検体や病原体を遺伝子解析する。病原体提出の実績がある小児科定点や内科定点を中心に指定する方針だ。 厚労省は開始に向けて、10月中に自治体向けの説明会を実施する。都道府県が来年2月にかけて定点医療機関を指定する。 新たなサーベイランスの運用は定点医療機関の協力が鍵を握る。同日の部会で越田理恵委員(金沢市福祉健康局長)は、医師から協力が得られにくくなっている現状を指摘し、「(コスト負担という)金銭面だけでなく、何らかのインセンティブが必要」と述べた。 大曲貴夫委員(国立国際医療研究センター病院副院長)も協力医療機関に対して、サーベイランスの結果などのフィードバックを行うことなどを提案した。また、インフルエンザや新型コロナ以外の感染症検査キットも診療所で保有できるよう、小包装化や診療報酬評価などを求めた。資料はこちら