国立感染症研究所は11月6日、感染症週報の第42週(10月16〜22日)を公表した。「注目すべき感染症」として咽頭結膜熱を取り上げ、第42週は過去10年で最も多い定点当たり報告数となったことを示した。
咽頭結膜熱は、例年6〜7月に患者数がピークとなる急性ウイルス性感染症だが、今年は8月後半から報告数が増え始め、第42週は過去10年間で最多の2.16となった。第42週までの累積報告数が最も多いのは福岡県で、2019年実績の2倍以上。次いで大阪府、沖縄県などの順で、関西地域で顕著な増加が見られている。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、定点当たり報告数が2.67となり、前週の約1.4倍。過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では鳥取県(7.63)、宮崎県(4.28)、埼玉県(4.19)の順で多い。
●梅毒が累積1万2000例超す
全数報告の感染症の主な状況は以下のとおり。
▽結核(2類):215例(前週179例)
▽細菌性赤痢(3類):1例(前週1例)
▽腸管出血性大腸菌感染症(3類):98例(前週89例)
▽エムポックス(4類):1例(前週2例)
▽日本脳炎(4類): 2例(茨城、静岡各1例)(前週なし)
▽梅毒(5類):172例・累積1万2165例(前週191例)
▽バンコマイシン耐性腸球菌感染症(5類):1例・累積100例(前週1例)
▽薬剤耐性アシネトバクター感染症(5類):1例・喀痰)(前週なし)