低調なタスク対応、人員不足・ニーズなしの声 九州支部学会でアンケート結果 日臨技九州支部医学検査学会が11月9~10日、鹿児島市で開かれ、初日9日にはタスクシフト・シェアをテーマとする企画が組まれた。九州地域での厚生労働大臣指定講習会修了者へのアンケート結果が紹介され、講習会を修了したものの新たな業務への取り組みが低調な実態が報告された。理由としては検査部門の人員不足や、ニーズのなさ、他職種や部門間の調整などを挙げる声が目立ち、タスクシフト・シェアに向き合う現場の課題が示された。 福岡県臨床衛生検査技師会の木村賢司氏は、会員約3500人のうち2024年8月時点で898人が指定講習会を受講しており、283人からアンケートの回答が得られたことを報告した。 283人のうち、受講後に「新たな業務を開始した」と答えたのは76人。具体的な業務内容は造影剤注入36人が最も多く、次いで静脈路確保34人、皮下グルコース検査14人、術中モニタリングでの針電極装着6人、喀痰吸引2人、内視鏡検体採取2人、肛門機能検査2人などだった。 実施後に感じた問題点では、たまにしか検査を行わないため忘れてしまうことや、人数が増えていない中で開始しているため実施数が増えない、一部スタッフのみ実施しているなどの声があった。 一方で、受講後も「新たな業務を開始していない」との回答者に理由を尋ねたところ、「業務にタスクシフトで習った項目がない」「要望がない・需要がない・院内で新たな業務拡充を求められていない」「検査部自体が積極的に開始しようと思っていない、部署全体で意識やモチベーションが不足している」「他職種との関係性が難しい、連携が取れない」「忙しくなるのに給料が上がらない」といった消極的な声も目立った。●関係部門との調整に苦労 熊本県臨床検査技師会の逢坂珠美氏は、指定講習会の修了者で新たな業務を「開始した」(開始する予定)と答えた会員の意見などを報告した。新たな業務に取り組むに当たり苦労した点では、「検査部内・看護部・臨床との調整」「人員の確保」「マニュアル作成」などを挙げる意見があったことを紹介。技術的な訓練や経験の必要性や、増員がなく単純に業務量増加になり休みが取りづらく残業が増えたといった声もあった。
日臨技九州支部医学検査学会が11月9~10日、鹿児島市で開かれ、初日9日にはタスクシフト・シェアをテーマとする企画が組まれた。九州地域での厚生労働大臣指定講習会修了者へのアンケート結果が紹介され、講習会を修了したものの新たな業務への取り組みが低調な実態が報告された。理由としては検査部門の人員不足や、ニーズのなさ、他職種や部門間の調整などを挙げる声が目立ち、タスクシフト・シェアに向き合う現場の課題が示された。 福岡県臨床衛生検査技師会の木村賢司氏は、会員約3500人のうち2024年8月時点で898人が指定講習会を受講しており、283人からアンケートの回答が得られたことを報告した。 283人のうち、受講後に「新たな業務を開始した」と答えたのは76人。具体的な業務内容は造影剤注入36人が最も多く、次いで静脈路確保34人、皮下グルコース検査14人、術中モニタリングでの針電極装着6人、喀痰吸引2人、内視鏡検体採取2人、肛門機能検査2人などだった。 実施後に感じた問題点では、たまにしか検査を行わないため忘れてしまうことや、人数が増えていない中で開始しているため実施数が増えない、一部スタッフのみ実施しているなどの声があった。 一方で、受講後も「新たな業務を開始していない」との回答者に理由を尋ねたところ、「業務にタスクシフトで習った項目がない」「要望がない・需要がない・院内で新たな業務拡充を求められていない」「検査部自体が積極的に開始しようと思っていない、部署全体で意識やモチベーションが不足している」「他職種との関係性が難しい、連携が取れない」「忙しくなるのに給料が上がらない」といった消極的な声も目立った。●関係部門との調整に苦労 熊本県臨床検査技師会の逢坂珠美氏は、指定講習会の修了者で新たな業務を「開始した」(開始する予定)と答えた会員の意見などを報告した。新たな業務に取り組むに当たり苦労した点では、「検査部内・看護部・臨床との調整」「人員の確保」「マニュアル作成」などを挙げる意見があったことを紹介。技術的な訓練や経験の必要性や、増員がなく単純に業務量増加になり休みが取りづらく残業が増えたといった声もあった。