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データ標準化に必須のJLAC、「技師に知られていない」 検査医学会の委員会企画、危機感を共有


 日本臨床検査医学会学術集会が11月28日~12月1日、大阪市で開かれた。11月29日には、政府が医療DX(デジタルトランスフォーメーション)として進める電子カルテ情報共有サービスで、臨床検査データを標準化するためのコード「JLAC(Japan Laboratory Code)」が話題となった。検査現場には導入が求められる一方で、多くの臨床検査技師がこうした情報を知らないという危機感を示す声も相次いだ。

 厚生労働省が2025年度に稼働させる電子カルテ情報共有サービスでは、診療情報提供書などの3文書と、傷病名などの6情報の、いわゆる「3文書6情報」を医療機関が共有する環境づくりを目指している。6情報のうち「感染症」「検査」の2つは臨床検査が関係し、感染症で5項目(HBV、HCV、HIVなど)、検査関係では43項目(生活習慣病関連項目、救急時に有用な項目)が設定される。これらの情報を相互共有するための標準コードが、検査医学会が管理する臨床検査項目分類コード「JLAC」だが、多くの検査現場で導入されていない。

 JLACは、1997年公開の「JLAC10」と、2024年に公開された「JLAC11」があるが、JLAC10では測定法コードや結果識別コードの粒度不足などの課題があるため、電子カルテ情報共有サービスの標準コードとしては最新のJLAC11への移行が急務になっている。

 JLACを取り上げた11月29日の委員会企画では、九州大学病院検査部の堀田多恵子氏が、JLAC10と11の違いや、実際の運用で必要なコーディング(付番)、マッピング(採番)、ガバナンス(整合)の手順などを説明。各施設で実施されているローカル名称とローカルコードを、JLAC11と連結させるマッピングの考え方なども解説した。

 医療データ活用基盤整備機構の岡田美保子氏は、医療DXの環境づくりが進む一方で、JLACを知らない検査技師が少なくないという声も紹介しながら普及啓発のための取り組みが必要と訴えた。
2024.06.03_記事下登録誘導バナー_PC.png

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