タスク推進へ、院内調整の仕方や成果など紹介 厚労科研報告書、2施設の事例報告 臨床検査技師の将来需給などを考察した厚生労働科学研究「医療専門職の実態把握に関する研究」の報告書がこのほどまとまった。日本臨床衛生検査技師会も協力した3年間の調査研究では、将来的に検査技師が供給過多になる推計がすでに報告されているが、最終年度となった2023年度の研究報告では、タスクシフト・シェアを進めている具体例などを新たに紹介。JA愛知厚生連豊田厚生病院と藤田医科大学病院を取り上げ、運用に至った背景や院内の調整の仕方、タスクシフト・シェアの成果など他施設の参考となる情報を盛り込んでいる。●鼻咽頭拭い液採取、3325分の支援時間 豊田厚生病院で実施されたのは「超音波検査時の造影剤投与」「鼻咽頭拭い液の検体採取」「尿路バックからの採尿」の3つ。造影超音波検査ではISO 15189の要求事項として作成していたマニュアルが活用できることや、造影担当医師から造影剤の調整や投与方法などの流れをOJTで学んだことを紹介した。 鼻咽頭拭い液の検体採取では、1件に要する時間を5分として665件の3325分の支援時間が確認され、医師の業務時間短縮につながったとしている。尿路パックからの採尿は簡単な講習を受けることで実現でき、看護師の業務時間短縮に貢献できることも報告した。 藤田医大病院で行われたのは「静脈路の確保」と「血培ボトル検体の採取」。静脈路確保のための技術的安全性は看護師によるOJT指導のほか、必要な手順書や手順動画、研修プログラムの作成・訓練を行い、救急外来の検査技師から始めたことを説明。検査技師による静脈路確保は月当たり約30件ペースで行われているが、インシデント・アクシデントの報告はない状況で、タスクシフト・シェア対応のため人員採用枠が広がったことも成果に挙げている。資料はこちら
臨床検査技師の将来需給などを考察した厚生労働科学研究「医療専門職の実態把握に関する研究」の報告書がこのほどまとまった。日本臨床衛生検査技師会も協力した3年間の調査研究では、将来的に検査技師が供給過多になる推計がすでに報告されているが、最終年度となった2023年度の研究報告では、タスクシフト・シェアを進めている具体例などを新たに紹介。JA愛知厚生連豊田厚生病院と藤田医科大学病院を取り上げ、運用に至った背景や院内の調整の仕方、タスクシフト・シェアの成果など他施設の参考となる情報を盛り込んでいる。●鼻咽頭拭い液採取、3325分の支援時間 豊田厚生病院で実施されたのは「超音波検査時の造影剤投与」「鼻咽頭拭い液の検体採取」「尿路バックからの採尿」の3つ。造影超音波検査ではISO 15189の要求事項として作成していたマニュアルが活用できることや、造影担当医師から造影剤の調整や投与方法などの流れをOJTで学んだことを紹介した。 鼻咽頭拭い液の検体採取では、1件に要する時間を5分として665件の3325分の支援時間が確認され、医師の業務時間短縮につながったとしている。尿路パックからの採尿は簡単な講習を受けることで実現でき、看護師の業務時間短縮に貢献できることも報告した。 藤田医大病院で行われたのは「静脈路の確保」と「血培ボトル検体の採取」。静脈路確保のための技術的安全性は看護師によるOJT指導のほか、必要な手順書や手順動画、研修プログラムの作成・訓練を行い、救急外来の検査技師から始めたことを説明。検査技師による静脈路確保は月当たり約30件ペースで行われているが、インシデント・アクシデントの報告はない状況で、タスクシフト・シェア対応のため人員採用枠が広がったことも成果に挙げている。資料はこちら