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タスクシフト/シェアの現状や課題で報告 日赤検査学術大会が開催

タスクシフトや災害救護等が話題となった一般演題
 「検査を創ろう+動かそう~未来へ向けて 自らの力で~」をテーマとする第24回日赤検査学術大会が9月7日から8日まで高松市の高松赤十字病院で開かれた。日本赤十字社の病院の臨床検査技師による一般演題が40演題組まれ、タスクシフト・シェアの現状や課題が報告された。

 タスクシフト・シェアを取り上げた一般演題では、日赤愛知医療センター名古屋第二病院臨床検査科の神宮司帆乃香氏が静脈路確保に関する教育プログラム(PG)について報告した。PGは看護師指導の下、救急外来患者の実践研修を含んだもので、現在までに研修を受けた検査技師10人のアンケート結果を紹介しながら、検査技師業務に定着させるための課題などを語った。

 神宮司氏は、研修期間中の静脈路確保成功率が平均67%で、臨床医の初回穿刺の成功率と同等レベルになる一方で、成功率と採血歴との関連がなかったことから、採血とは異なる点があると指摘。採血の翼状針よりも静脈路確保の留置針が長いため、「血管内に留置するカテーテルの長さを考慮し、真っすぐな血管を探す必要がある」と求めたほか、採血では関節付近の正中静脈で行うことが多いが、静脈路確保では関節付近の屈折部位は避ける必要があると説明した。

●検査技師による病棟採血、年間700時間以上に

 武蔵野赤十字病院検査部の山本有理沙氏は、外来での採血業務だけでなく、検査技師が入院患者や健診センターの採血業務まで担い、医師や看護師の負担軽減に取り組んでいる活動を紹介した。

 検査部と病理部所属の検査技師7人編成による1週間の担当制で、内科病棟(2病棟)や健診センターの採血に対応していることを報告。具体的な担当業務は、▽午後4~5時に集まり、翌日採血する病棟の入院患者、健診センターの健診者の採血管準備▽検査技師が採血を行わない病棟の入院患者についても翌日採血に必要な採血管を同時に準備―で、現場に取り入れている実務上の工夫などを紹介した。

 外来以外での過去5年間(2019~2023年)の採血実績では、病棟採血ではいずれも年間700時間以上、月平均採血患者数300人以上のデータを示し、「医師や看護師の業務負担軽減に貢献できている」と総括した。

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