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SFTS国内初のヒト-ヒト感染例を掲載 「診療の手引き」5年ぶり改訂


 厚生労働省の研究班(研究代表者=加藤康幸国際医療福祉大学教授)は8月2日付で、5年ぶりの改訂となる「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)診療の手引き2024年版」をまとめた。患者から医師へのヒト-ヒト感染事例が2024年3月に国内で初めて報告されたことを記載し、個人防護具(PPE)の使用など適切な院内感染対策を求めている。

 国内初の報告例は、90代男性患者の死後、中心動脈カテーテルの抜去と刺入部の縫合をした20代医師が感染した事例(その後回復)。医師はサージカルマスク、ガウン、一重手袋をしていた。中国や韓国でも医療従事者への二次感染が計5例報告されており、韓国では心肺蘇生時に医療従事者が17人感染したと推定される事例がある。また1例は針刺し事故だった。

 病原体検査は行政検査として地方衛生研究所で行われる。臨床検査については、「患者の血液・尿・便・呼吸器分泌物には SFTSウイルスが含まれていることから、慎重な取り扱いを要する」と明記。

 その上で、▽臨床検体の前処理(遠心分離など)はエアロゾル発生のリスクがあるため、PPEを着用した検査技師により安全キャビネット内で実施することが望ましい。▽閉鎖式の血球計数装置は通常通り使用できる。▽放射線検査および生理検査は病室内で実施されることが望ましいが、出血、嘔吐、下痢などの症状がなく、検査室の環境を汚染するリスクが低い場合はこの限りではない。▽臨床検体および検査に使用した器具は適切に廃棄または消毒を行うーの4つをポイントにあげた。

2024.06.03_記事下登録誘導バナー_PC.png

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