厚生労働省は、市町村の子宮頸がん検診にHPV検査単独法を導入するため、関連指針を4月1日付で改正すると全国の自治体に通知した。30歳以上女性の子宮頸がん検診にHPV検査単独法を導入する内容で、一定の要件を満たす市町村が従来の細胞診単独法とどちらかを選択できる。通知は2月14日付。
改正指針では、子宮頸がん検診は20歳以上女性を対象とし、検査方法は細胞診、HPV検査単独法とすることを記載。HPV検査単独法は30歳以上を対象とし、60歳以下を特に推奨する。検診マニュアルを活用するなどの要件を満たした市町村が選択でき、その場合、20代には細胞診、30代以上にはHPV検査単独法を行う。HPV検査には液状化検体を用いる。
HPV検査は5年ごとに行い、陽性の場合、トリアージ検査として、液状化検体の残余検体を用いて細胞診を行う。細胞診の判定が陽性であれば「確定精検」(コルポスコピー・組織診)を受け、陰性は「追跡検査対象者」として1年後にHPV検査を受ける。
●トリアージ検査の細胞診はLBC標本
運用上の参考とする検診マニュアルは2月22日、日本産科婦人科学会と日本婦人科がん検診学会が公表した。2つの学会が共同で運用していく。
マニュアルによると、市町村などの検診実施主体は、医師会や検診機関などで構成する検診運営委員会を設置する。委員会は、HPV検査判定機関などが要件を満たしているかの確認や精度管理の指導などに当たる。
HPV検査単独法には、検体採取、HPV検査の判定、細胞診(トリアージ検査)の判定、確定精検(コルポスコピー・組織診)の実施という4つの機関が関与する。マニュアルは、それぞれの機関が満たすべき要件を示している。このうち細胞診判定機関については、▽日本臨床細胞学会の施設認定を受けているか、同学会認定の細胞診専門医と細胞検査士が連携して検査している▽液状化検体細胞診(LBC)のトレーニングを受けた細胞検査士と細胞診専門医が判定を行う―などとした。
(出典:対策型検診におけるHPV検査単独法による子宮頸がん検診マニュアル)