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HE4、卵巣がん経過観察での活用に期待 国がんの宇野氏ら

ラウンドテーブルで講演した加藤氏(左)と宇野氏

 アボットジャパンは1月22日、卵巣がんのマーカーの一つである「ヒト精巣上体タンパク4」(HE4)に関するメディア向けのラウンドテーブルを東京都内の本社で開いた。国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科の宇野雅哉医長や、婦人腫瘍科長を務めた加藤友康医師が講演。宇野氏は卵巣がんの疑い症例の初診時や、卵巣腫瘍の経過観察にCA125と併せてHE4を測定することで、良悪性診断補助や早期再発診断による適切な手術適応につながることに期待を示した。


 HE4は、呼吸器上皮や生殖組織で発現し、特に悪性卵巣腫瘍患者の血清中の濃度が高いことなどが知られており、同じく卵巣がんのマーカーとして使われるCA125と補い合う特徴を持つ。卵巣腫瘍の鑑別に使われるROMA値(卵巣悪性腫瘍推定値)は、この2つの値を用いて算出する。


 宇野氏や加藤氏らのグループは同社との共同研究として、HE4が卵巣腫瘍の経過観察に活用できるかを後方視的に検討した。病勢評価のために行った画像検査日付近に採取された保存血清のHE4を測定して、画像による評価とHE4による評価の一致を検証した。


 観察期間中に再発と診断された27症例を対象に検討。腫瘍マーカーの上昇時期について、HE4は78%の症例が画像診断で病勢増悪と判断されるのと同時あるいは先行して値が上昇。さらにCA125と併用することでその割合は93%まで上がったなどのデータを紹介した。



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