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ctDNA解析でRAS野生型大腸がんでの薬物治療最適化の可能性 国がん東病院などのグループ


 国立がん研究センター東病院消化管内科の設楽紘平科長、災害医療センター臨床研究部の植竹宏之部長らの研究グループは、血液から抽出した血中循環腫瘍DNA(ctDNA)で、抗EGFR抗体薬が有効となるRAS野生型大腸がん患者の特定が可能になるとの研究成果をまとめた。大腸がんでは原発巣の違いで抗EGFR抗体薬の効果に差がある可能性が指摘されてきたが、血液検体のctDNAでより有効性の高い患者集団を高精度に特定できることが示唆されたという。


 同研究グループは、mFOLFOX6に抗VEGF抗体薬あるいは抗EGFR抗体薬を組み合わせて投与した2群間での有効性、安全性を検討した前向きランダム化比較試験に参加した患者の血液検体からctDNAを解析、遺伝子異常と治療効果の関連を検討するバイオマーカー研究を実施した。


 遺伝子異常を認めない集団では、大腸の左側あるいは右側という原発巣の占拠部位にかかわらず、抗EGFR抗体薬の有効性が良好な結果を示した。

 

 一方で、遺伝子異常を認めた群では、抗EGFR抗体薬の有効性は抗VEGF抗体薬との比較で同程度かやや劣る結果だった。


 研究成果は2月12日に科学誌「Nature Medicine」に掲載された。


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