top of page

〈記者コラム〉紙媒体からデジタルに

 日本臨床衛生検査技師会が学術誌「医学検査」の紙媒体の発刊を年内で終了する。2025年10月号が最終号となり、次号の2026年1月号からはデジタルブックとしてホームページに掲載される。

 7万人を超えた会員一人一人に郵送されている「医学検査」だが、増え続ける発行経費が大きな課題になっていた。スマートフォンやPCで情報を得るスタイルが広がり、紙媒体に目を通す会員が少なくなったこともある。日臨技によると、デジタル移行に伴う紙や印刷代等の削減で年間約9000万円の経費が抑えられるという。

 電子化に至った背景は、あらゆるジャンルの印刷物や、新聞や雑誌が直面している大きな共通課題でもある。このコラムもスマホやPCで読まれていると思うが、MTJも昨年から一部記事のサマリーを届ける無料登録サイト「MTJメールニュースサイト」での試行錯誤を重ねているところだ。

 ウェブのメリットとして改めて感じるのは、紙面スペースの制限がなく、印刷や配送なしですぐに情報をお届けすることができる点。加えて、読むだけでなく、見たり聴いたりを含めた幅広いコンテンツを提供できるのも大きい。MTJサイトは機能の拡充や、デザイン刷新を検討しており、年内にもリニューアルできればと思っている。

 一方で、新聞を手に取ってじっくり読みたい方々には、今までと変わりない紙媒体のMTJ(月3回発行)を引き続きお届けする。技師長らが知っておきたい検査制度や規制の動向、関係学会や団体のニュースなどを、背景や詳細も含めてウェブよりも深くお伝えしていきたい。

 紙とウェブそれぞれの特性があり、すみ分けを含めたバランスは難しいが、どのような情報発信スタイルがいいのかの答えは、次世代を担う臨床検査技師の意識やニーズの変化の中にある。編集部として、しっかり現場の声にアンテナを張りながら、臨床検査の今を伝え続ける専門媒体としての存在意義を高めていきたい。(水)
2024.06.03_記事下登録誘導バナー_PC.png

その他の最新記事

MTJメールニュース

​株式会社じほう

bottom of page