〈記者コラム〉「金」への関心

　日本漢字能力検定協会が発表した「今年の漢字」は「金」。オリンピック・パラリンピック日本代表選手やメジャーリーグ大谷翔平選手の輝かしい活躍が注目された一方、政治の裏金、闇バイト、物価高騰など「お金」に関する話題も多く、全国から「金」への応募票が集まったようだ。ただし、「今年の漢字」に「金」が選ばれたのは今回5回目。4年ごとに開催されるオリ・パラの影響は少なくなさそうだ。また、「お金」への関心は2024年に限らず、常に高いものかもしれない。

　この一年、MTJ公式Xを運用してきた。フォロワーの反応を振り返ると、臨床検査技師の平均給与や手当などに関わる投稿はコメントやリポストが一段と多かった。検体検査管理加算（Ⅳ）の届け出数の動向、社会保険診療報酬支払基金の審査の取り扱い解釈など病院の収入に関する記事も注目されていた。臨床検査業界でもやはり、お金に対する関心は高いと実感した。

　もちろん、お金ばかりではない。日本医療検査科学会のパニック値の対応マニュアル改訂、血培ボトル出荷調整への対応、タスクシフト・シェアや人材育成など日々の臨床検査業務や臨床検査室の体制整備に関するものもよく読まれていた。

　

　SNSをよく使っている比較的若い世代の臨床検査技師の中にも、医療の現場で求められている役割をどう果たすのかを考え、日々の業務に向き合っている人が少なくないと感じている。臨床検査業界の未来が明るいものになるように、有意義な情報を目指して引き続き努力していきたい。（河）