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ASP加算が抗菌薬適正使用に効果 成育医療研究センターが調査結果


 国立成育医療研究センターの研究グループはこのほど、2018年の診療報酬改定で導入された「小児抗菌薬適正使用支援加算」(ASP加算)で、導入4年後に乳幼児への抗菌薬処方が19.5%減少したとの調査研究をまとめた。2017年4月から2年間に生まれた約16万人を対象とした調査で、広域抗菌薬の処方も24.4%減少したという。同グループは「ASP加算は抗菌薬の過剰処方を防ぐ医療政策として有用」としている。

 ASP加算は、一定要件を満たす保険医療機関に、急性気道感染症、急性中耳炎、急性副鼻腔炎、急性下痢症で受診した患者を対象とした制度。診察結果で抗菌薬の投与が必要ないとして療養上必要な指導および検査結果の説明を行い、文書により説明内容を提供した場合に80点を算定できる。

 調査研究は、社会医学研究部臨床疫学・ヘルスサービス研究室の大久保祐輔室長らの研究グループの成果。「差分の差分法(DID)」と呼ばれる統計手法で、ASP加算が抗菌薬の処方や時間外を含めた外来受診、入院の発生率にどのような影響を与えたかを推定した。

 広域抗菌薬を含む抗菌薬の処方は大きく減少し、累積の外来受診回数は7.4%の増加だったが、時間外の受診や入院は減少していた。コスト面でも総医療費は微増にとどまり、薬剤コストは13.8%の減少となった。

2024.06.03_記事下登録誘導バナー_PC.png

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