心不全診療GL、8年ぶり全面改訂 BNP/NT-proBNPと心エコーを記載kona364月14日読了時間: 2分 日本循環器学会は3月8日、8年ぶりの全面改訂となる「2025年改訂版心不全診療ガイドライン(GL)」を公表した。日本心不全学会などとの合同ガイドライン。BNP/NT-proBNP、心エコー検査により心不全を診断するプロセスを示し、心不全を疑うBNP、NT-proBNPのカットオフ値は、日本心不全学会のステートメントに沿い、それぞれ35pg/mL以上、125pg/mL以上とした。LVEF(左室駆出率)により病型を区別し、原因検索や治療方針の決定につなげる考え方を示した。 同日の学術集会のセッションで、関連9学会の合同研究班員の北井豪医師(国立循環器病研究センター心不全部部長)が改訂内容を解説し、心不全の診断は「症状や身体所見、一般検査に加えて、ナトリウム利尿ペプチドと心エコーが中心となる」と説明した。 改訂版は、心不全の診断プロセスを示したフロー図を掲載した。身体所見や心電図などの一般評価に加え、BNP/NT-proBNPの測定、心エコー検査により心不全を診断する。その後、LVEFを評価し治療していく流れを示した。 GLでは、手技や治療の推奨クラスと、エビデンスレベルをそれぞれ5段階で示した。推奨クラスは、有効・有用のエビデンスがある・見解が広く一致している場合を「Ⅰ」、有効・有用である可能性が高い場合を「Ⅱa」、有効性・有用性がそれほど確立されていない場合を「Ⅱb」などとした。 BNP/NT-proBNPについては、診断や予後評価目的での測定を推奨(クラスⅠ)し、予防目的での測定は「Ⅱa」として推奨した。治療ガイドとしての有用性にも言及し、うっ血の早期発見や治療強化などのため、治療において測定を考慮するよう「Ⅱa」とした。